熟成肉 「安全な調理を」

長期間寝かせてうまみを引き出す「熟成肉」が人気だ。取扱店も増えているが、東京都の調査では、製法や安全性の認識に開きがある。肉の表面から食中毒の原因菌が検出されたり、「生食可能」と答えたりする業者もおり、都は安全な調理を呼びかけている。

 ◇製法まちまち 規定や基準なく

 都によると牛肉の塊に特定のカビ菌を吹き付け、温度、湿度を管理しながら熟成する製法「ドライエイジング」には法令上の規定や基準がない。都は衛生実態を確かめようと2016~17年に、協力の得られた都内の飲食店や加工業者など11業者に聞き取りした。

 ◆「生食可能」 誤認業者も

 調査によると熟成期間は多くが「28日前後」で、最短は「14日」、最長は「100日」だった。カビが繁殖した肉の表面はいずれの業者も調理前に切り取っていた。切り取った部分と切り口を5業者で調べたところ、2業者で黄色ブドウ球菌など複数の食中毒菌を検出。腐敗も2業者で確認された。また、2業者が「熟成肉は生で食べられる」と誤答した。

 調査した都健康安全研究センターの担当者は「熟成肉の語感から生ハムのように生で食べられると思われるかもしれないが、生肉同様、菌が発生する。加熱して食べてほしい」と話す。一方、熟成肉が原因の食中毒は、これまで都内では報告されていないという。

 (斉藤寛子)

 ◇赤み人気きっかけ■カビの働き うまみ凝縮

 飲食店情報サイト「ぐるなび」は、熟成肉を扱う全国約1千件の店情報を掲載中だ。2013~14年に2・5倍に増え、その後も年々増加中という。担当者は「健康志向との相乗効果でブームに火がついた」と分析する。霜降りより赤身の人気が高まり、そこに赤身の熟成肉を扱う米国のステーキ店が出店、ブームが広まったと見ている。

 「脂の口溶けが良く、肉質が軟らかい。うまみが増して独特の香りがする」。ステーキ店「旬熟成」(港区)を12年から経営するフードイズムの跡部美樹雄社長(42)は、熟成肉の魅力をそう解説する。熟成過程で付着させるカビの働きでたんぱく質がアミノ酸に変わり、うまみが凝縮されるのだという。

 同社ではカビの胞子が付いた「エイジングシート」を肉に巻き、室温4度以下の熟成庫で寝かせる。明治大学と共同開発したこのシートのおかげで、60~90日かかっていた熟成期間を約30日に短縮。さらに空気中の腐敗菌の付着を防ぐこともできたという。

 真っ白な毛カビで覆われた肉の表面をアルコール消毒した包丁で取り除いてから調理する。記者は牛ロースのステーキをいただいた。ミルクのような独特の香り。試食中、脂が固まることはなく、筋も簡単にかみ切れた。跡部さんは「ちゃんと作れば、熟成肉は安全でおいしい」。

 一方で、横川潤・文教大学教授(フードサービスマーケティング)は「熟成肉を理解できていない店もある」と指摘した。臭いだけの肉を提供されたこともあったといい、「熟成肉の扱いについて米国と日本では歴史や経験が違う。『熟成』という枕詞(まくらことば)が付けばおいしいと考えるのは危ない」と注意を呼びかけた。

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「出典元」:朝日新聞デジタル>記事

www.asahi.com/articles/CMTW1806191300002.html


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